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経理/財務会計処理 2021/08/20

仮払金とは?立替金との違いや仕訳方法をかんたん解説!

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出張旅費など仮払金が発生した際はどのように仕訳をするのでしょうか?仕訳例とともに解説します。また、しばしば混同される立替金。改めて違いをチェックしましょう。

  • 投稿日:2019/10/23
  • 更新日:2021/08/20

仮払金とは

仮払金とは、金額を確定できない支出を表す仮勘定科目です。項目は資産ですが、支出額が確定すると費用に振り替える必要があります。まずはどのようなケースで仮払金が発生するのか、具体例を挙げてみます。

■仮払金が発生するケース
  • 旅費、出張費における事前の概算払い
  • 交通系ICカードのチャージ
  • 税金の前払い
  • 備品の買い出し用など、事前に用意する経費
  • 用途不明の領収書など、未確定勘定

上記のうち、3は「仮払法人税等」という勘定科目を使います。これは、年度末を迎える前に中間申告・予定申告を行って支払う税金です。
続いて具体的な仮払金の仕訳方法について解説していきます。

仮払金の仕訳:出張旅費を仮払いした場合

例えば、出張旅費を仮払金として社員に支出した場合、仕訳の前提として「渡した金額では不足するケース」と「渡した金額が余るケース」の両方が想定されます。
それぞれの仮払金を計上して、その後、精算する流れは以下の通りです。

1.出張旅費として現金5万円を支出する
借方 金額 摘要 貸方 金額
仮払金 50,000 旅費交通費と宿泊費の仮払い 現金 50,000

まず、取引先の担当者と想定していなかった会食が発生し、会食の費用を社員が支払った結果、想定していた現金5万円では足りなかったというケースです。この場合は交際費を借方に追加し、不足分を貸方に未払金で計上して振替仕訳を行います。

2.現金5万円では足りなかった場合
借方 金額 摘要 貸方 金額
旅費交通費
交際費
宿泊費
20,000
30,000
15,000
仮払金
未払金
50,000
15,000

続いて、渡した金額を使い切らなかった場合です。ここでは差額(残額)を現金として借方に計上することで、振替仕訳する仮払金と一致させる必要があります。

3.現金5万円が余った場合
借方 金額 摘要 貸方 金額
旅費交通費
宿泊費
現金
20,000
15,000
15,000
仮払金 50,000

なお、仮払金はあくまで一時的に計上するための勘定科目です。決算時に残っていると銀行などからは「用途不明金」として扱われてしまうため、決算前には整理しておく必要があります。出張した社員が帰ってきたらすぐに領収書の提出を求めるなど、日頃からできるだけ早く処理するように意識づけておいてください。

仮払金と立替金の違い

立替金は、しばしば仮払金と混同されることがあります。その主な原因は、どちらも「会社が一時的に支払う資産の勘定科目」であるということです。
両者の大きな違いは「本来、会社が支払うべき経費か否か」という点です。その具体例を見比べてみます。

■仮払金が発生するケース
  • 旅費、出張費における事前の概算払い
  • 交通系ICカードのチャージ
  • 税金の前払い
  • 備品の買い出し用など、事前に用意する経費
  • 用途不明の領収書など、未確定勘定

■立替金が発生するケース
  • 取引先が負担すべき費用(手数料、送料など)
  • 雇用保険料
  • 役員・従業員の私的な費用
  • 従業員の給料の前貸し

このように仮払金は「会社が支払うべき費用」、立替金は「会社以外が支払うべき費用」というように、大きく分けられます。
また、仮払金は実際の勘定科目や金額が不明な状態で計上するのに対し、立替金は支払う際には既に金額、勘定科目が決まっているという違いもあります。
**********

仮払金は日商簿記検定の3級に出題される勘定科目であり、処理自体はそれほど難しくはありません。ただし、実務上では従業員との「お金を渡した、渡していない」といったトラブルが起こるケースもあります。そのため、仮払申請書の作成や、振替仕訳の早期処理など、スムーズに管理できるような環境を作ってください。

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