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業務効率 2019/03/26

経理業務がなくなる!?BPOの可能性と経理担当者の対策を探る

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近年、組織のスリム化や業務の効率化が叫ばれるなかで注目されているのが、事業の制作部分などをそのまま外部に委託する「ビジネスプロセスアウトソーシング(以下BPO)」です。特にBPOとバックオフィスは相性が良いとされており、「BPOの導入は経理や人事から」と推奨する声も少なくありません。もし会社の経理のほとんどを外部に委託してしまった場合、残される経理担当者はどうなるのでしょうか。そもそも、本当に経理をBPOすることは可能なのでしょうか。今回は、経理に関するBPOの概要や現状についてご紹介します。

BPOとアウトソーシングは性質が異なる

BPOと同じように業務を外部に委託する意味でよく使われるのが「アウトソーシング」です。BPOとアウトソーシングの意味に明確な線引きはありませんが、アウトソーシングは業務単位で外部に委託するのに対し、BPOは業務プロセスを丸ごと委託するという範囲に違いがあります。 また、アウトソーシングは欠員や業務量の急増などによる一時的な対応策として使われることが多いですが、BPOは一度導入すると継続活用が前提となるケースがほとんどです。

■経理のBPOとアウトソーシングの違い
  BPO アウトソーシング
委託する業務範囲 日次、月次、年次に関する全体的な経理業務 記帳、売掛金管理、ファイリング、伝票整理、給与計算など、単体での経理業務
委託期間 長期間、継続的 短期間、一時的
委託する目的 組織全体の業務効率化など、経営戦略の一つ 欠員や業務量増への対応

BPOを導入する際は、現状の業務フローの可視化や分析、導入後の運用体制など経営層を巻き込んだ大規模なプロジェクトになるケースが多いです。
そのような要因もあり、どちらかというと経営基盤がしっかりしている中堅以上の企業が、経営戦略の一つとして検討することが多いとされてきました。 しかし、最近ではBPOの導入を検討する中小企業、ベンチャー企業も増えており、BPOサービスの日本の市場規模は2022年には8,769億円にまで拡大するとされています。
※参考資料:IDC Japan株式会社

経理がBPOの導入先になりやすい理由

なぜ、企業規模に関わらず、経理にBPOの導入を検討する企業が増えているのでしょうか。 その理由として「経理自体が利益を生み出す業務ではないから」という認識によるところが大きいとされています。間接部門である経理業務にかかる人的コストを削減し、営業などの主力業務に集中することで、収益効率の向上を図ろうと考えられているのです。他にもBPOを導入するメリットはたくさんあります。その代表例を以下にまとめました。

■BPOを導入するメリット
  • 人員削減
  • 業務の可視化による業務管理のしやすさの向上
  • 専門家に依頼することによる業務品質・効率の向上
  • 不正防止
  • 社外の最新の知識のインプットと社内共有
  • 社内インフラ体制整備の不要化

経理担当者としては「1.人員削減」が気になるところではないでしょうか。人員削減の対象として、経理担当者に白羽の矢が立ってしまう可能性は少なくありません。しかし、そもそもBPOとは簡単に導入できるものなのでしょうか。

BPO導入の現実とデメリット

メリットが豊富なBPOですが、その一方で導入のハードルの高さやデメリットも存在します。

■BPOのデメリット
  • 社員が業務全体を把握しづらい
  • 組織改編、業務ルールの変更を反映しづらい
  • 一度、BPOを導入すると、再度のインソース(内製)化は難しい
  • 関連業務を100%外部委託することができない
  • 導入までに必要なプロセスが多い

BPOは、業務のほとんどを外部に委託できると考えられがちですが、実は100%委託することは困難だとされています。 例えば、急な作業を委託先に依頼しても、対応が数営業日後になってしまう可能性があります。帳簿や報告書の確認作業、委託先に依頼する前のデータの整理なども自社で行わなければならず、企業はこういった対応を任せられる経理担当者を抱えておく必要があるのです。

また、BPOは社内の人員配置や業務範囲の変更など多くの折衝が必要です。調整が上手くいかないままだと失敗してしまうため、単なるアウトソーシングよりもハードルが高めです。そのため、導入自体が頓挫するケースも珍しくありません。よって、多くの企業が気軽にBPOを導入できるようになるまでには、まだ課題があるといえます。
**********

BPOは正しく導入すれば会社にとって大きなメリットを生みますが、現在はまだあらゆる企業に導入できるわけではありません。しかし、今後は効率化によって経理業務が縮小されていくことは間違いないでしょう。
そういった状況下で、経理担当者は「必要がなくなる存在」となることを恐れるのではなく、会社にとって何が一番重要かを考えることが大事なのではないでしょうか。その上で、敢えて積極的に効率化を提案することも「必要とされる存在」となることにつながります。
例えば「経理システムの導入・変更」でも業務の効率化は十分可能です。このように日頃からできる範囲で業務を工夫し、例えBPOを導入しても必要な存在となれるよう、意識してみてください。

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