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IT業務システム 2018/03/20

中堅・中小企業に適したERPとは?

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ERPとは、Enterprise Resource Planningの略で、財務会計、在庫管理、売上管理など、基幹となる業務システムを統合管理することで生産性の向上を目指す統合基幹業務システムです。これまでのERPは様々な業務システムを統合するという特徴から、大企業が膨大な費用を投じて導入するものという認識がありました。しかし近年では、小規模かつ柔軟性のある導入が可能になり、中小企業の導入例が増えています。そこで今回は中小企業こそ考慮したいERPのメリットと、導入のポイントについてご紹介します。

ERPの特徴

ERPの最も大きなメリットは社内の様々な業務の一元管理が可能になることです。中小企業の多くは、部門ごとに最適化されたソフトが社内に複数存在しているケースが多いのではないでしょうか。このように在庫管理ソフト、販売管理ソフト、会計ソフトなどが別々に稼働している場合、受注データを入力した後、さらに会計ソフトに入力するなどの二重入力が多数発生していました。

このような各業務をERPによって一元管理することで、例えば受注データを入力すると同時にそのデータが統合されて会計システムにも反映されるようになります。従来のようにそれぞれのソフトでの再入力の手間がなくなり、転記や入力ミスも大幅に軽減。業務効率と正確性を向上させます。

また、常に最新の情報をリアルタイムで把握し社内で共有することができるので、社内情報の「見える化」が実現します。さらにデータベースが統合されるため、売上や原価などの様々な数字を、時系列、商品・製品別、支店別、担当別などの多様な切り口から分析することができます。こうした複眼的なデータの活用は、企業活動における問題発見やソリューションの創出に貢献し、経営層の意思決定をサポートします。

なぜ、中小企業に有効なのか

スピード経営を推進
中小企業が大企業に対抗するためには、柔軟な発想と迅速なビジネス展開が不可欠です。その土台となるのが経営者のスピーディな意思決定です。社内各部門のデータをリアルタイムで更新し、各業務を一元管理できるERPなら中小企業に必要とされるスピード経営に多大な貢献を果たします。

経営資源の効率運用
中小企業は、ヒト、モノ、カネのすべてにおいて、限りある資源を有効に活用しなければなりません。ERPは、給与計算、人材管理、在庫管理、購買管理、財務会計などの経営資源を統合的にサポートすることで、中小企業のリソースを最大限に引き出し、売上向上とコストダウンに寄与します。

財務体質の改善
「いつどんな支払いが発生し、将来的にどれくらいの資金が必要になるかわからない。」このように資金繰りや財務体質に課題を抱える中小企業は少なくありません。ERPは、企業の財務状況をスピーディにデータ化し、財務体質の改善や資金繰りの課題をも浮き彫りにします。企業にとっていま、何をすべきかを可視化してくれるのです。

ERPを選ぶポイントは

ERPには大きく分けてオンプレミス型とクラウド型があります。

〈オンプレミス型〉
システムを構成するサーバなどのハードウェアやアプリケーションなどのソフトウェアを自社内に設置・構築するERPです。
自社専用となるため、要件に合わせた構築・運営が容易にできます。
反面、初期費用が高額になりがちな上、将来的なスケールアップなどの柔軟性に欠ける面があります。

〈クラウド型〉
従来企業内で構築されていたシステムをクラウド環境に置くことで、ネットワークを介して利用可能にしたERPです。

【パブリッククラウド】
クラウドプロバイダーなどが提供する環境を、不特定多数のユーザーがインターネットを通じて利用するクラウドです。
低価格で手軽なので導入も簡単、システム管理もプロバイダーに移管することができます。その反面、ユーザー側でのカスタマイズはほぼ不可能となります。

【プライベートクラウド】
ひとつの企業が占有するクラウドです。
環境を占有できるので、セキュリティレベルが高く、高度なカスタマイズや設定をすることができます。ただし高コストのため、気軽なリソース追加には不向きな面があります。

ERPを選ぶ際には上記の特徴を踏まえた上で、自社の業務や利用形態に合わせて最適なものを検討する必要があります。
現場の運用体制の構築がスムーズにできるかどうか、法改正への対応などのメンテナンス、導入したシステムのアップグレードのしやすさ、誰にでも使えるユーザビリティも重要なポイントです。
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部門ごとに専用ソフトを導入しバラバラに運用することが多かった中小企業ですが、近年はERPのような統合業務システムで社内の情報を統合する動きが顕著になっています。給与計算、人材管理、在庫管理、購買管理、財務会計など、社内データを扱う中心になるのはやはり経理です。ERPの選択に関しても率先して経営層に提案してはいかがでしょうか。これからの経理担当は、ITに関してもそれなりの知識と知見が必要となりそうです。

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