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ITDX 2024/09/19

ChatGPTを経理業務で使うには?生成AI初心者が押さえておきたい基礎知識

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AI技術の発展は、経理業務にも変化をもたらしています
その中でも注目されているのが、OpenAIが開発した言語モデル「ChatGPT」です。
ChatGPTはユーザーが入力した文章に対して、自然な言葉で返答が返ってくるAIツールです。
無料版でも利用可能で、シンプルな操作性と高い汎用性が特徴です。
本記事では、経理担当者の皆さんに向けて、ChatGPTの基本的な使い方から経理業務への応用方法までを解説していきます。

ChatGPTとは

ChatGPTはOpenAIが開発した、ユーザーとの自然な対話を可能にするAIツールです。
主な特徴は以下の通りです

  • 文章入力からの返答を得るツール
    ユーザーが文章を入力すると、ChatGPTがその内容を理解し、適切な返答を生成します。
  • 無料でも利用可能
    OpenAIのWebサイトから無料版のChatGPTを利用することができます。
  • 有料版や法人向けなど用途に応じた様々なプランがある
    より高度な機能を求めるユーザーや企業向けに、有料版や法人契約プランが用意されています。
  • 多様な出力形式がある
    ユーザーの指示に応じて、文章、表、リストなど様々な出力形式に対応しています。

経理業務におけるChatGPTの具体的な活用方法
ChatGPTはシンプルな操作で多様なタスクに対応できるため、経理業務においても有用なツールといえます。
例えば以下のような業務に活用することができます。

データ分析とレポート作成
売上データ、経費データ、在庫データなどの大量の数値情報を瞬時に処理し、指示に応じて分析することができます。
分析結果を基に、グラフや表を含むレポートを自動生成することも可能です。

仕訳・記帳業務
ChatGPTに取引内容を入力すると、勘定科目と金額が返ってきます。
企業ごとの仕訳パターンを学習し、類似の取引に自動適用したり、必要に応じて修正を提案したりすることも可能です。

税務申告のサポート
各種税務申告書の記入方法や注意点のガイダンスから下書きの自動生成まで対応できるため、申告時の参考として活用することもできます。
その他、法人税、消費税、地方税など各種税金の計算を行ったり、税額控除や特別措置の適用判断をサポートしたりすることも可能です。

予算管理と資金繰り計画
売上・仕入れ・経費などのデータや市場動向などの情報を入力すると、それらを分析した予算案や資金繰りの予測が返ってきます。

人間が行うと非常に時間がかかる処理を瞬時に出力できるところが、ChatGPTの魅力です。

ChatGPTの利用方法

初めてChatGPTを利用する際は、以下の手順を踏みましょう。

  • OpenAIのホームページにアクセスします。
  • 「Try ChatGPT」をクリックして、ChatGPTのページに移動します。
  • 画面下部の入力欄に、質問や要求を入力します。
  • 「Send」をクリックすると、ChatGPTが入力内容を処理し、返答が表示されます。
※参考資料:OpenAI

ChatGPTとのやり取りで適切な結果を得るためには、以下のようなポイントを押さえておくことが重要です。

  • 指示を明確にする
    ChatGPTに求める内容を明確に伝えることで、より適切な返答を得ることができます。
  • 具体的な情報を提供する
    処理に必要な情報を具体的に提供することで、ChatGPTの出力の精度が向上します。
  • 出力形式を指定する
    必要に応じて、文章、表、リストなどの出力形式を指定することで、求める結果に近づけることができます。

実際の使用方法の例
実際にChatGPTを使った簡単な財務分析の例をご紹介します。
分析したい売上データや経費データをChatGPTに入力し、以下のように指示を出してみます。
すると、以下のような出力結果が得られました。
※上記は実際にChatGPTに出力された返答の画面です。

上記は簡単な例ですが、提供するデータが大量にある場合でも、様々な角度から分析やレポート作成を瞬時に行えます。

ChatGPTを利用する際のポイント

ChatGPTはシンプルな操作で多様なタスクに対応できますが、万能というわけではありません。


注意すべき点
ChatGPTはあくまでも業務支援ツールであり、最終的な意思決定の責任は人間にあります。
例えば、ChatGPTの回答は学習データに基づいているため、常に最新の情報とは限らない場合があります。
このような場合は、最新の法令や会計基準に基づいて人間の手で修正する必要があります。
そのため複雑な分析や専門的な判断が必要なケースでは、ChatGPTの出力内容を鵜呑みにせず、専門家の助言を求めることが重要です。
また、社内データを使用する際はセキュリティ対策をしっかり行うようにしましょう。


会計システムの補助としての使い方
ChatGPTは汎用的なタスクに対応できる柔軟性に優れている一方で、高度な専門知識が必要な処理には向きません。
そのため、正確な会計ルールや税法に基づいた処理を行う会計システムの代わりにはなりません。
無料で利用できるからといって会計システムの代わりに導入しても、期待する効果は得られないでしょう。
ChatGPTは会計システムの代替手段ではなく、補助として使用することで、力を発揮すると考えられます。
利用している会計システムに搭載されていない機能を補完したり、人的判断が必要な部分の参考となる提案を得たりなど、ChatGPTの汎用性を活かした使い方は様々です。
例えば、基本的な会計処理は会計システムで行ったうえで、それに基づく財務データの分析はChatGPTで行うなど、メインの処理は会計システムで行い、それだけでは足りない部分にChatGPTを活用するといった方法などもあります。
大幅に業務効率を図りたい場合は、まず目的に合わせた専門のシステムの導入を行い、ChatGPTはその機能に合わせて補助的に使うのがスマートな活用方法だと考えられます。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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ChatGPTはシンプルな操作で多様なタスクに対応できるツールですが、万能ではありません。
専門的な会計処理や複雑な分析には会計システムや専門家の助けが必要となるため、どのように活用するかをしっかりと検討するようにしましょう。
また、初めてChatGPTを使う場合は、定型的な処理から始めて徐々に適用範囲を広げていくことをおすすめします。
ChatGPTを始めとするAIツールを積極的に活用し、業務の効率化と高度化を実現することが、これからの経理担当者に求められる重要なスキルとなるでしょう。

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