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ITDX 2024/05/28

経理業務をDX化するために!業務効率化とビジネス競争力強化への道のり

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DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が進む中、経理部門においてもDXへの取り組みは無視できない状況となっています。
経理業務のDX化は、業務効率化やコスト削減だけでなく、リアルタイムでの情報共有による意思決定のスピードアップなど、ビジネスの競争力強化にもつながります。
さらに、働き方改革や生産性向上、ガバナンス強化など、様々な観点からもDXの重要性が増しています。
本記事では、経理部門におけるDXの必要性や効果、進め方のポイント、活用できるツールなどについて詳しく解説します。

経理業務におけるDXの必要性と効果

経理部門は、財務データの管理や経営判断に必要な情報の提供など、企業の意思決定を支える重要な役割を担っています。
しかし、多くの企業では未だに紙ベースの処理や手作業が多数残っているのが実状です。
これらの非効率的な業務は、経理担当者の工数を増大させるだけでなく、ヒューマンエラーのリスクや情報共有の遅れにもつながります。

また、経理業務を取り巻く環境は大きく変化しています。
電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入など、法改正への対応が求められる一方、テレワークの普及によって場所や時間に縛られない柔軟な働き方も求められるようになりました。
経理業務のDX化は、これらの課題を解決し、変化に適応していくために不可欠なものなのです。


経理業務のDX化のメリット
経理業務をDX化することで、以下のようなメリットが期待できます。

業務の自動化による効率化
請求書の発行や受領、経費精算など、手間がかかる定型的なタスクを自動化することで、作業時間を大幅に短縮できます。
これにより、経理担当者は高度な判断が必要な業務に注力できるようになります。

コスト削減
ペーパーレス化による印刷・保管コストの削減や、業務自動化による人件費の削減が可能です。
クラウドサービスの活用により、システムの導入・運用コストを抑えることもできます。

リアルタイムでの情報共有
クラウドサービスを活用することで、経営層を含む関係者が財務状況をリアルタイムで把握できるようになり、迅速な意思決定が可能になります。
これにより、ビジネスチャンスを逃すリスクを軽減できます。

ガバナンスの強化
ワークフローの導入により、業務プロセスが標準化され、不正や誤処理のリスクを低減できます。
また、適切な権限管理により、機密情報の流出防止にもつながります。

リモートワークへの対応
クラウドサービスを活用することで、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現できます。
これにより、生産性の向上と従業員満足度の向上が期待できます。

企業全体での経費精算業務にクラウド型の経費精算システムを導入し、申請から承認までの処理時間を大幅に短縮した事例や、グローバルでの経理業務の標準化とシェアードサービス化を推進し、業務効率化と内部統制の強化を実現した事例などもあります。
このように、経理業務のDX化は企業の競争力強化に直結する取り組みと言えるでしょう。


経理業務のDX化の本質とテクノロジーの役割
経理業務におけるDX化の本質は、単なるデジタル化ではなく、業務プロセスの抜本的な見直しと改善にあります。
テクノロジーはそのための手段であり、そこから得られるデータを活用して、経営の意思決定を支援することが重要です。

経理業務のDX化を進めるうえで、以下のような最新テクノロジーの活用が期待されています。

AI(人工知能)
財務データから将来のキャッシュフローを予測したり、不正やミスを検知したりするために活用できます。
また、AIを用いた自動仕訳や経費精算の自動化など、業務の効率化にも役立っています。

ビッグデータ分析
ビッグデータ分析を活用することで、大量の財務データから経営の意思決定に役立つ情報や知見を引き出すことができます。
例えば、売上データと経費データを組み合わせて分析することで、収益性の高い事業や改善が必要な領域を特定できます。

ブロックチェーン
取引の透明性と信頼性を高めるために活用できる技術です。
例えば、請求書の発行や支払いの記録をブロックチェーン上に保存することで、改ざんを防止し、監査の効率化を図ることができます。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
定型的な業務を自動化するために活用できます。
例えば、請求書のデータ入力や経費精算の申請など、人手を介さずに処理できる業務を自動化することで、業務の効率化と品質の向上が期待できます。

クラウドサービス
経理業務に必要なシステムやデータをクラウド上で管理することで、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現できます。
また、クラウドサービスを活用することで、システムの導入・運用コストを抑えられる可能性もあります。

経理業務のDX化を進めるうえでは、これらの最新テクノロジーを理解し、自社の課題解決にどう活用できるかを検討することが求められます。
そのうえで、業務プロセスの改善とデータ活用を軸に、戦略的にDX化を推進していくことが重要です。
また、営業部門や人事部門など、関連する他部門との連携も欠かせません。
部門間でデータを共有するなど、協力してDX化を行っていく必要があります。

経理業務のDX化を成功に導くポイント

経理業務のDX化を成功させるには、推進体制の整備を行う必要があります。
その際、以下のようなポイントを押さえることが重要です。

  • トップダウンでの推進
    経営層のコミットメントを得て、全社的な取り組みとして浸透させる。
  • 現場の巻き込み
    現場の意見を取り入れながら、業務プロセスの見直しを行う。
  • ITリテラシーの向上
    経理担当者のITリテラシーを向上させ、新しいツールやプロセスに適応できるようにする。
  • データの利活用
    集めたデータを分析し、経営の意思決定に活用する。
  • セキュリティ対策
    クラウドサービスの活用などによるセキュリティリスクへの適切な対策を行う。

DX化のステップ
経理部門のDX化を進めるには、以下のようなステップを踏むことが効果的です。

  • 現状の業務プロセスの可視化と課題の洗い出し
  • 目指すべき姿の明確化と優先順位付け
  • 適切なシステムの選定と導入
  • 運用体制の整備と継続的な改善
  • 全社的な浸透と定着
経理業務の標準化・効率化を目的に、クラウド型の会計システムを導入した企業もあります。
現場の意見を丁寧に吸い上げながら進めたことで、スムーズな導入を実現し、導入後も継続的な改善を行うことで、更なる効率化を図っています。


適切なツールの選定
経理業務のDX化を推進するためには、適切なツールの活用が欠かせません。
ツール選定の際は、自社の規模や予算、ITリテラシーなどを考慮し、無理のない範囲で導入することが重要です。
また、経理業務だけでなく、他部門との連携や企業全体での効率化を視野に入れ、部分最適ではなく全体最適となるようなツールを選定しましょう。
導入の際は、単にツールを導入するだけでなく、業務プロセスの見直しと合わせて進めることで、真の効果を発揮できます。

適切なツールの一例として、クラウド型会計システムが挙げられます。
財務会計だけでなく、販売管理や人事労務、工事管理など、幅広い業務に対応しているシステムや、外部システムとの連携基盤を強化し、APIを活用したデータ連携により業務のデジタル化を推進できるツールも存在します。
AIを活用した監査支援機能を搭載したシステムもあり、業務の効率化と高度化に役立ちます。

経理業務のDX化の課題と対応策

経理業務においてDX化を進めるうえでは、いくつかの課題も存在します。
代表的な課題とその対応策は以下の通りです。

レガシーシステムの存在
段階的なシステム刷新や、APIを活用したデータ連携などにより、レガシーシステムとの共存を図ります。

IT人材の不足
外部リソースの活用と社内での育成を組み合わせ、DX推進体制を整備します。
また、ローコードツールの活用により、ITスキルを持たない担当者でも業務改善を進められるようにするのが重要です。
さらに、ITベンダーや外部のDX専門家を頼ることも選択肢の一つです。
専門的な知見を持つ外部リソースを活用することで、自社のリソース不足を補い、DX化をスムーズに進めることができます。

現場の抵抗感
丁寧なコミュニケーションと教育により、DX化のメリットの理解促進を図ります。
段階的な導入により、現場の負担を軽減することも大切です。

セキュリティへの不安
信頼できるベンダーの選定と適切な対策の実施を行います。
デジタルトラストを確保することで、安心して利用できる環境を整備する必要があります。

経理業務のDX化は、これらの課題に適切に対応しながら推進していくことが重要です。
課題をひとつひとつクリアしていくことで、DX化の真の価値を実感できるはずです。

※本記事の内容は掲載日時点での情報です。
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経理業務のDX化は、業務効率化やコスト削減だけでなく、経営の意思決定スピードを上げ、ビジネスの競争力強化につなげることができます。
また、働き方改革やガバナンス強化など、様々な経営課題の解決にも寄与します。
経理業務のDX化を成功させるには、トップダウンでの推進と現場の巻き込み、データの利活用とセキュリティ対策など、様々な観点から取り組むことが求められます。
DX化は一朝一夕では実現しませんが、競争力の高い経理部門を目指し、着実に取り組んでいくことが重要です。
自社の状況に合わせて、最適なツールとプロセスを選択し、段階的に進めていくことが成功への鍵となるでしょう。

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