公的書類には「続柄」という項目がある場合があります。続柄は、書類によって概念が異なるため、記入の仕方で悩む方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、公的書類の記入で欠かせない続柄の正しい書き方をご紹介していきましょう!
公的書類の記載場面が多い「続柄」とは
続柄とは、婚姻関係や親族関係といった具体的な間柄を表したものです。正しい読み方は、「つづきがら」と言います。公的な書類では、続柄によって親族間の関係性や婚姻関係などの詳しい情報が明らかになります。
続柄には親族間の関係性を表す場合に、以下2つのパターンがあります。
- 世帯主から見た特定人物の関係を書くパターン
- 申告者、申請者などから見た特定人物との関係を書くパターン
上記のパターンを踏まえたうえで、あなたが属している家族を例に考えてみましょう。家族には、必ず世帯主が存在しています。続柄が世帯主を中心としている場合は、世帯主から見た自分の間柄が記載されます。あなたの父親が世帯主であれば、父親から見たときのあなたとの間柄、つまり「子」が続柄になります。どの続柄のパターンが当てはまるかは、書類によって決まっています。そのため内容をきちんと把握しておかなければなりません。
続いて、代表的な公的書類における続柄の具体的な記載例を見ていきましょう。
年末調整
年末調整の続柄には、申告者から見たときの関係性を記入します。実際の用紙では、以下の赤枠が続柄の記入場所です。
出典:
国税庁 PDF「令和3年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
具体的に、以下の例で考えてみましょう。
■申請者が世帯主の息子である場合
申請者 |
あなた |
世帯主 |
あなたの父 |
あなたとの続柄 |
父 |
■申請者が世帯主の妻である場合
申請者 |
あなた |
世帯主 |
あなたの夫 |
あなたとの続柄 |
夫 |
■申請者が世帯主本人である場合
また、年末調整では扶養控除の対象を記入するときにも、続柄の記入が必要です。
扶養対象となる親族においても、先ほどと同様に申請者から見た関係性を記入していきます。具体的には、以下の通りです。
■申請者が世帯主本人である場合
あなたの妻 |
妻 |
あなたの息子 |
子 |
あなたの父 |
父 |
あなたの母 |
母 |
確定申告
確定申告の続柄には、世帯主から見た関係性を記入する必要があります。実際に具体的な記入が必要となる部分は以下の赤枠部分です。
出典:
国税庁 PDF「申告書A【令和2年分以降用】」
確定申告は、年末調整と違って世帯主から見た関係性を記入しなければならないため注意が必要です。
具体的に、以下のケースで考えてみましょう。
■申請者が世帯主の息子である場合
申請者 |
あなた |
世帯主 |
あなたの父 |
世帯主との続柄 |
子 |
■申請者が世帯主の妻である場合
申請者 |
あなた |
世帯主 |
あなたの夫 |
世帯主との続柄 |
妻 |
■申請者が世帯主本人である場合
このように息子や妻など、世帯主本人でない人物が記入する場合には、年末調整と記載内容が異なります。
住民票
生活の拠点が変わり住民票を移すことになった際は、続柄の記入も必要になります。住民票での続柄の記載は、
確定申告と同様に世帯主から見た関係性を記入します。実際の住民票は各自治体によって異なりますが、東京都荒川区では以下のような様式を使用のうえ、赤枠部分に続柄を記載しています。
出典:
東京都荒川区 世帯票様式(サンプル)より一部抜粋
ルームシェアなどの同居人がいる場合は、それぞれが個別に生計を立てていれば、お互いに「世帯主」とすることが可能です。
また、結婚を前提とした相手と一緒に住むなど、同棲相手を扶養対象にしたい場合は下記表のように記載します。
■あなたが世帯主であり、同棲相手を扶養対象としたい場合
**********
続柄は、婚姻関係や親族関係といった具体的な間柄を表したものです。世帯主から見た関係性なのか、それとも申請者本人から見た関係性なのかによって続柄の意味合いが異なってきます。公的書類によって記入内容も変わるため、今回の記事を参考に書類ごとの記入について理解しておきましょう!