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業務全般制度改正 2021/07/14

押印義務とはもうおさらば!令和3年度の源泉所得税制度の変更点はここがポイント

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令和3年4月に、国税庁が「源泉所得税の改正のあらまし」というパンフレットを発行しました。このパンフレットには「給与所得者の扶養控除等申告書」などの変更点が記載されています。これは今年度の年末調整にも直結する重要なポイントです。
そこで今回は、源泉所得税制度の変更点について解説します。

※出典:国税庁「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」

押印義務の廃止

年末調整のときに提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」など、これまで源泉所得税に関わる書類には、原則として提出者の押印をする必要がありました。
しかし、令和3年度の源泉所得税制度ではこれらの押印義務が廃止されました。提出者は、国税庁のホームページにある押印スペースのない「最新版の申告書のフォーマット」を利用するだけで、押印なしの申告が可能です。
以下は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の例です。

■令和2年分の給与所得者の扶養控除等申告書(before)
■令和3年分の給与所得者の扶養控除等申告書(after)
たかが押印ひとつ…と言えども、この作業がなくなっただけで、手元にハンコがない、うっかり押し忘れてしまった、などの意外とありがちなトラブルがなくなります。これは、多くの年末調整関連書類を取りまとめる担当者にとっては嬉しい話なのではないでしょうか。

ただし、押印なしの申告書の場合は、必ず最新版のフォーマットを利用するようにしてください。前年のものを参考にするために古いフォーマットを使ってしまうと、結果的に押印が必要となってしまいます。そのため、社員にもフォーマットが新しくなったことを周知し、「押印の必要はなくなりました」と事前にアナウンスをするようにしましょう。

メールやファイル共有サービスなどを使った提出が簡単に

経理担当者にとってさらに嬉しい改正内容は、「電磁的方法」での書類の取りまとめがより簡単になったことです。電磁的方法とは、メールやファイル共有サービスなどを使った、インターネット上でのデータのやりとりを指します。つまり、社員は書類を電子データにして会社に提出できるということです。

これまでも源泉所得税に関わる申告書のうち、給与についての申告書については電磁的方法でのやりとりが認められていましたが、条件として「税務署長の承認」が必要でした。ただし、承認を受けるための申請が手間となり、利用しにくいという難点があったのです。

今回の改正では、この「税務署長の承認」が不要となりました。そのため、電磁的方法で書類をやりとりしたい企業は、法的な準備をしなくても電磁的方法を取り入れることができるようになります。
具体的に、税務署長の承認が不要となった書類は以下の通りです。

  • 給与所得者の扶養控除等申告書
  • 従たる給与についての扶養控除等申告書
  • 給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
  • 所得金額調整控除申告書
  • 退職所得の受給に関する申告書
  • 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

この改正は、2021年4月1日以降に提出する申告書について適用されています。

電磁的方法で提出できるようになった書類は他にもいろいろ

給与についての申告書の他にも、今回の改正で「電磁的方法」でやりとりが可能となった書類は「公社債等の利子等の非課税申告書」など約40種類に増えました。これまでは、手渡しや郵送というひと手間かかる方法で書面を受け渡しするのが普通でしたので、取りまとめが楽になりますね。

さらに、以下の項目に関する計19種類の書類については、電磁的方法で提出する場合、住所等確認書類の別添や、署名用電子証明書が必要なくなりました。

■該当書類
  • 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等に関する書類
  • NISAに関わる書類
  • ジュニアNISAに関わる書類

少額投資非課税制度「NISA」に関わる書類の提出の簡素化は要チェックです!
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パッとみただけでは理解が難しい「源泉所得税の改正のあらまし」について、押さえるべき情報を紹介しました。いずれも次回の年末調整に取り入れられる内容です。業務負担の軽減も期待できますので、内容をしっかり把握して効果的に取り入れてみてください。
本文で紹介した内容は、一般的な書類はほとんど対象となっていますが、特殊な書類を使用する場合は対象となっているかをチェックしてくださいね。

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