膨大な仕訳入力で経理業務が圧迫されているなら、OCR(光学式文字認識)技術の活用がオススメ!入力作業を大幅に効率化・自動化できます。
OCRを活用して経理業務を効率化!
慢性的な人材不足と言われる経理部門。管理会計や新人育成にもっと時間をかけたいと思いつつも、日々の入力作業や事務処理に追われて思うように行かない・・・。
という、経理の皆さんは多いのではないでしょうか。
入力作業の業務負荷を軽減するには、
- 作業手順の見直し
- アウトソーシングや人材派遣の活用
- 各部署による発生源入力
- クラウドサービスやFintechの活用
といった方法が考えられますが、今回は、
OCR(光学式文字認識)技術の活用についてご紹介します。
OCR(光学的文字認識)とは、紙文書に印刷もしくは手書きされた文字をスキャナやデジカメで読み取り、コンピュータが利用できるテキストデータに変換する技術。その読み取り精度は年々向上しており、正確さ・迅速さが求められる経理部門での活用シーンも広がりつつあります。
OCR装置による伝票自動読み取りで高速かつ大量の仕訳入力を実現
経理部門の入力作業を軽減するには、各現場部門で作成する経費申請書、請求書、発注書などが財務データに反映される「発生時の入力」が最も効率的かもしれません。
しかし、現場部門がPCの扱いに不慣れであったり、経理担当者が不在の事業拠点が多いなど、発生時の入力の徹底が難しいケースも珍しくはありません。
そのような場合にオススメしたいのが「OCR入力」。
現場部門にOCR専用伝票を配布し、記入された伝票から、OCR機器で数字やテキストを読み取り、仕訳データとして財務データに連結するというものです。
大量の伝票も高速に読み取ることができ、経理部門の入力作業を飛躍的に軽減できます。
また、いつも記入内容が同じ入力項目を専用伝票にあらかじめプリントしておけば、現場部門では、必要な項目のみ入力するだけで、誰でもかんたんに伝票を起票できるようになります。
OCR入力から仕訳を自動作成学習機能で補完入力はさらに軽快に
「OCR入力」では、スキャン画像からテキストデータを抽出するだけではなく、「日付」「金額」などを自動判別し、自動で仕訳を作成することが可能です。
経理部門では、OCR入力の内容をチェックして、科目やコードなど、不足している情報を補完入力するだけで、仕訳を完了させることができます。
最近では、「学習機能」を備えたOCR入力も増えてきました。
この機能は、自動で作成された仕訳に補完入力する際、「科目」「コード」「摘要文字」などの仕訳パターンを学習し、システム側で仕訳辞書を作成するというものです。
後日、似たような仕訳が発生した場合には、補完入力する際に入力候補が表示されるため、テキスト入力をしなくても、選択するだけで入力できるようになります。
スキャンされたレシート類からOCR機能で仕訳を自動作成
スマートフォンの経費精算アプリや家計簿アプリの普及が進み、すっかりメジャーになりつつある「レシート取込」機能。
OCRの性能が向上し、財務会計システムでも本格的に取り入れられるようになりました。
使い方は「OCR入力」と似ています。レシートや領収書をスキャンして画像として保存し、財務会計システムに読み込めば、OCR機能で「日付」「金額」などがテキスト化され、仕訳が自動作成されます。
不足している情報を補完入力すれば、仕訳が完成すること、そして、補完入力の仕訳パターンを学習して辞書が作成されることも、「OCR入力」と同様です。
最も便利なポイントは、取り込んだ証憑イメージ(領収書やレシートの画像)と仕訳データが紐付いて保存されることでしょう。
これによって、仕訳帳からかんたんに証憑イメージを呼び出すことができ、証憑原本との照らしあわせといったチェック作業も効率的に行うことが可能になります。
タイムスタンプを自動付与して領収書などのスキャナ保存が可能に
非常に便利な「レシート取込」機能ですが、本来、紙文書として保存しなければならない領収書などの国税関係書類をスキャンによる電子データとして保存するためには、e 文書法の「適正事務処理要件」を満たす必要があります。
最近では、財務会計システムがe文書法に対応するようになり、要件の多くをシステム上で解決できるようになってきました。
特に注目したいのが「タイムスタンプの自動付与」という機能です。
「レシート取込」によって自動作成された仕訳を保存する際、タイムスタンプ局(クラウドサービス)に接続して、スキャンされた領収書やレシートなどの画像にタイムスタンプを付与。
e文書法の要件のうち最も重要な「真実性」を容易に確保し、証憑イメージの改ざんを防ぐことができるようになります。
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OCR専用機はもちろん、オフィス複合機やドキュメントスキャナ、スマートフォンなどの性能が向上し、さまざまな業務システムで「OCR」の活躍の幅が広がりつつあります。
経理部門における業務効率化を図る際には、ぜひとも「OCR」の活用も検討の視野に入れてみてください。