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経理/財務決算 2021/02/09

決算整理をスムーズに進めるための7つのポイント!

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決算の時期に月をまたぐ期間を対象にした売上や費用がある場合は、普段とは違った処理が必要になる場合があります。決算整理が正しくできていないと間違った申告につながるため、注意が必要です。今回は中小企業の経理担当者を対象に、決算整理で確認すべき7つの観点について紹介します。

決算整理とは

企業会計では、取引が行われたタイミングで記帳する「発生主義」に基づいて、売上や費用の計上をします。当月中に納品した商品の代金を翌月に回収する場合、売上を計上するのは当月になります。従って決算時期の場合は、どの取引が当期の計上となるか、あるいは来期の計上となるかを整理する必要があります。このように、計上の月を正しく整理することを含め、仕訳の間違いや漏れを確認して修正するような作業を決算整理と言います。
売上や費用の調整の他にも、棚卸の振替や消費税区分の確認、減価償却費の計上など、決算整理で確認する点は多々あります。

■決算整理で主に確認すべき点
  • 売上
  • 現金・預金
  • 費用
  • 棚卸資産・貯蔵品
  • 消費税区分
  • 固定資産
  • 未収入金

決算整理ができていないと、当期の決算は正確なものではなくなります。そのため税務調査が入った際に指摘を受けることになり、場合によっては重大なペナルティとなることもあります。
正しく決算を出すためにも、適切な決算整理が必要です。

※関連記事:経理担当の責任重大!決算整理仕訳の基礎知識

売上、現金・預金、費用の確認

売上
先述した通り、企業会計では「発生主義」に基づいて売上を計上する必要があります。決算整理では特に年度末付近に行われた取引を確認し、計上の時期が間違っていないかチェックします。例えば、3月31日が決算日だとして、3月に商品を納品したにもかかわらず、入金時の4月に売上が計上されてしまっている場合は修正が必要です。

現金・預金
現金、預金の残高が合計残高試算表の期末残高と一致するかを確認します。一致しない場合は、漏れている仕訳や間違った仕訳などの原因を探し出して修正します。原因には様々なケースが考えられますが、よくあるパターンのひとつに「利息の計上漏れ」があります。数ある仕訳をすべてさらっていくのは時間がかかるため、あらかじめ目星をつけておくと効率よく確認できます。

費用
費用の決算整理で迷う代表的な例が給与の問題です。例えば、給与を毎月20日締めにしている場合、当月の21日から翌月の20日分の金額を、翌月の費用として計上するのが一般的です。しかし決算時期は当期分に発生した費用は当期に、来期分に発生した費用は来期に計上する必要があります。そのため3月31日が決算日の場合は、3月21日から3月31日分の費用は当期に、4月1日から4月20日までの費用は来期にと、日数で按分して計上します。この考え方は光熱費なども同様です。

棚卸資産・貯蔵品、減価償却額の確認

棚卸資産・貯蔵品
「棚卸資産」は資産計上すべき在庫など、「貯蔵品」は印紙、切手などを指します。期中に仕入れた商品が売れ残った場合、棚卸をして在庫を資産計上する必要があります。仕訳の際は、売れ残った金額を「期末商品棚卸高」という勘定科目で処理し、同額を来期の期首に「期首商品棚卸高」という勘定科目で計上します。

減価償却額
固定資産における毎月の減価償却が正しく行われているかを確認します。一般的には固定資産台帳の金額と年度内の合計償却額が一致しているかをチェックすることで、正しく処理されているか判別できます。

消費税区分、未収金の確認

消費税区分
現在、消費税は10%と8%の2種類があり、それぞれ該当する売上を確認して適用します。対して費用は仕入れるものによって課税、非課税、不課税(海外での宿泊、飲食や寄付など「不課税取引」に該当するもの)に分けられるので、それぞれ正しく仕訳がされているかどうか確認します。

※出典:国税庁「非課税と不課税の違い」

未収金
営業取引以外で発生した資産などを売却したときに計上する「未収金」の回収を確認します。未収金には本業以外の売買による利益や、車両や設備機械などの固定資産を売却したときの料金のほか、中間納付している消費税の還付金なども該当するケースがあります。
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普段と違った処理が必要であったり、確認する項目が多かったりと、決算整理では多くの作業が必要になります。業種や取り扱う商品によって処理のパターンも様々なので、実践を重ねてポイントを掴んでいくことが重要となります。実際の業務は顧問税理士などが行うという場合も、経理担当者の基礎知識として確認のパターンは覚えておきましょう。

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