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ITクラウド 2020/10/20

Microsoft Azureを利用したクラウドERPで経理システムが進化する!

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ERPとは、生産性の向上を図るために経理や労務に関わるシステムを統合管理する統合基幹業務システムのことです。従来のERPは、自社内にサーバやソフトウェアを設置するオンプレミス型のものがほとんどでした。しかしクラウド技術が発展した近年では、より低コストで簡単に使えるクラウド型を導入する企業も増えてきています。
この背景には、クラウドサービスの基盤となるクラウドプラットフォームの存在が大きく影響しています。今回はクラウド型ERPと、現在シェアを伸ばしつつあるクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(マイクロソフトアジュール)」について紹介します。

ERPとは

ERPとは、Enterprise Resource Planningを略したもので、会計から売上管理まで様々な業務システムを一元管理できる統合基幹業務システムです。もともとは個別に存在している会計システムや販売管理システムを連携させることにより、データ入力の手間を最小限にするほか、リアルタイムな経営状況を社内で共有することも可能にしています。
企業にとっては便利なERPですが、これまでは膨大な費用がかかるために大企業が導入するものと認識されていました。しかし近年では、クラウド技術を使うことにより、中小企業でも簡単に導入できるERPが増えてきています。この流れに大きな影響を与えているのが、クラウド環境を簡単に利用できるクラウドプラットフォームサービスです。

クラウドプラットフォームとは

クラウドプラットフォームとは、システムを動作させるために必要となる基盤を揃えたクラウド環境のことです。近年では、MicrosoftやAmazon、Googleなどの企業が独自にクラウドプラットフォームを作成し、サービスとして提供しています。システム開発会社は、提供されているクラウドプラットフォームを利用することで、開発期間や費用を抑えつつ安全で高機能なシステムを作ることができるのです。
これらのクラウドプラットフォームの中でも、法人を中心にシェアを伸ばしてるのが「Microsoft Azure」です。「Microsoft Azure」はMicrosoftが提供するクラウドプラットフォームであり、ほとんどの日本企業で業務に利用しているMicrosoft製品と親和性が高いことが特徴の一つです。

耳慣れない単語かとは思われますが、クラウドサービスは利用目的によって、IaaS(イアース)、PaaS(パース)、SaaS(サース)という種類に分けられており、Microsoft AzureにはIaaSとPaaSが含まれています。

■IaaS(イアース)
Infrastructure as a Serviceの略称。
仮想サーバ、ファイアウォール、ハードディスクといった情報システムが、インターネットを介して稼働するために必要なインフラを提供するサービスです。

■PaaS(パース)
Platform as a Serviceの略称。
アプリケーションを動かすために必要なOSやハードウェアなどを、インターネット上で提供するサービスです。

■SaaS(サース)
Software as a Serviceの略称。
Googleが提供する「G Suite」のように、インターネット上で利用するアプリケーションのことを指します。 一般的に最もなじみ深いクラウドサービスであることから、最近ではSaaSを利用して、これまでパッケージで販売されていた製品をクラウド化する動きが顕著になっています。

IaaSとPaaSを利用している代表的なサービスには、「Microsoft Azure」の他にも、Amazonが提供する「Amazon Web Service(AWS)」、Googleが提供する「Google Cloud Platform(GCP)」があります。

クラウド環境がERPにもたらすメリット

先述の通り、クラウドプラットフォームの利用でシステム提供価格そのものが安価になったことや、環境の構築が簡単になったことから、クラウド型のERP導入の障壁はぐっと下がりました。ここではクラウド環境のメリットについてもう少し詳しく紹介します。

強固なセキュリティとコンプライアンス
クラウドサービスにおけるデータの保管場所は、インターネット上の巨大なデータセンターのサーバです。インターネット上、というと、経営における重要なデータを扱う経理部門は、情報漏洩の心配も考えてしまうのではないでしょうか。しかし各クラウドプラットフォームでは独自に強固なセキュリティを設けています。例えばMicrosoft Azureのデータセンターでは、世界トップクラスのセキュリティゲートを構築しており、サイバー攻撃への対策も常にアップデートしています。さらに保守・メンテナンスの自動化により人的作業を最小限にすることで、悪意のある操作を防ぐようにもしています。このようなセキュリティに関する工夫を何重にも行っています。
コンプライアンス面においても、ISO27001などのいくつもの国際的なコンプライアンスだけでなく、日本独自の基準にも適合しています。

全世界で使えるネットワーク
Microsoft Azureの場合、データセンターは全世界に55カ所あり、140もの国々で利用可能です。これは文字通り、どこにいてもサービスが利用できるということなので、グローバル展開を進めている企業には重要なポイントとなります。
インターネットを通じて仮想的なデスクトップ環境を利用するVDI環境にも適しており、VDI環境で課題となるデータ容量の大きなファイルの閲覧やスピーディなアクセスも可能にしています。 もちろん、円滑なテレワークの実現にも役立っています。

コスト削減や事業継続計画にも対応できる安定性
クラウド環境を利用しないオンプレミス型のシステムでは、データを蓄積するサーバやネットワーク環境を利用者側で独自に用意する必要がありました。そのため、構築にかかるイニシャルコスト、保守にかかるランニングコストは膨大なものになります。当然、サーバが破損してしまうと社員はシステムを利用することができません。
一方、クラウド環境を利用する場合、上記の環境構築に関する費用や稼働は大幅にカットできます。また、先述したセキュリティの高さから、損壊のリスクも回避することができるので、事業継続計画(BCP)にも活用できます。

MJSの財務会計・税務アプリがMicrosoft Azureに対応

これまで多くのERPを提供してきたミロク情報サービス(MJS)でも、新たにMicrosoft Azureを使ったERP「MJS DX on Azure」をリリースしました。対応している製品は以下の通りです。

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クラウドを利用したERPと、それを支えるクラウドプラットフォームについて紹介しました。テレワーク・リモートワークが普及している昨今、アナログな作業から会計システムの利用への移行は必須となってきています。それに伴い、システム開発側も、より安全で使いやすいサービスを提供できるよう、進化しています。これからERPの導入や乗り換えを検討している会社はクラウド型にも注目してみてください。

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