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経理/財務会計処理 2017/02/23

経費精算は、レシートでも大丈夫?(新米経理の会計奮闘記 第2回)

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新米経理の会計奮闘記 登場人物
  • 山本理子

    ようやく経理担当になったものの、分からないことだらけ。毎回様々な経理問題に頭を悩ます。曲がったことが大嫌い。

  • 吉田経男

    毎回経理問題を引き起こす営業部員。おっちょこちょいでずる賢い一面もあるが、本当はやさしい男。

  • 会計仙人

    突如現れて、会計問題をわかりやすく解説してくれる謎の仙人。仏陀の会計担当だったらしい。

新米経理の山本理子が社内で巻き起こる様々な経理問題に挑む会計奮闘記。
毎回、突如現れる会計仙人が経理問題を分かりやすく解説してくれるお悩み解決ストーリー、第2弾です。
今回は、会計処理を巡って理子と営業マン吉田が一悶着。果たして、会計仙人の下した判定はいかに!?

レシートでの経費精算を求める営業マンに憤慨する理子

例によって新米経理の理子と営業部の吉田経男が言い争いをしている。もはや、犬猿の仲といった二人である。

「これ、精算してくれる?」

「またレシートですかぁ?ちゃんと領収書もらってきてくださいよ〜」

「え〜、レシートで大丈夫だろう」

「絶対にダメです。後々面倒なことになったらどうするんですかぁ」

「おれたち営業部は忙しくて、いちいち領収書をもらっている時間も惜しいの!」

どうやら、言い争いの種は経費精算のようだ。
コンビニでペンやノートなどの文房具を購入した吉田、レシートでの精算を頼んでいるのだが、理子は断固として応じないのだ。精算は領収書との引換えをもって行うべし。
前任者で経理の師匠でもある会田計造の教えを忠実に守っている。
というより、ようやく経理担当としてひとり立ちした気負いと生来の負けん気が態度を硬化させているだけなのかもしれないのだが。

「頼むよ、理子ちゃん。今度飯おごるからさあ」

「ごはんなんていいですよ。私は経理としての使命を全うしているだけです!」

一転して懐柔策に出た吉田だが、まったく歯が立たない。真面目なのはいいことだが、その融通の利かなさに怒りが沸いてくる吉田である。

レシートでの経費精算、会計仙人の下した判定は?

と、その時、どこからともなく重厚な太鼓が鳴り響き、鬱蒼とした霧に包まれた仙人が舞い降りてきた。

「経理のことでもめとるのぉ。
私は経理の揉め事を解決するためにこの世につかわされた身。その名を『会計仙人』と申す。かつては、仏陀の会計担当としてその名を轟かせたものよ」

「会計仙人?」「仏陀の会計担当?」二人とも呆然とするばかりである。

「おまえらの揉め事、すなわち経費精算はレシートでも大丈夫か?にお答え申す。経費精算はレシートでも・・・・・・・・・・・・・・・OKじゃ!」


「やったー!」と吉田はガッツポーズ。対照的に理子はがっくりとうなだれる。

「よいか。経費計上するために必要な情報は次の4点じゃ」


 ◯購入した年月日
 ◯購入したお店や企業の名前
 ◯購入した物品やサービス名
 ◯購入金額

「レシートであれば、これらの項目は網羅されているだろう。領収書の『お品代として』『飲食代として』という記載より具体的で優秀なくらいじゃ」


「でも、すべてレシートで済ませていいんですか」と理子は少々不満気である。

「もちろん、高額なものを購入した際は領収書をもらった方がいいだろうよ。
いくら以上は領収書をもらうなど、会社としてのルールを明確にして周知することじゃな。
会社のルールづくりは、経理担当のおまえが中心になって行うのだ」

「わ、わかりました」と理子はぎこちない笑顔を浮かべた。

領収書にも意外な盲点があった!

1週間後。営業部の吉田が足早に経理部を訪れ、理子に経費精算を頼んでいる。おなじみの光景である。しかし、理子の目はキラリと光る。

「ちょっと、吉田さん。珍しく領収書なんですね」

ギグッと肩を震わせた吉田は「いや〜、やっぱ領収書は必要だよねえ」などと笑う。

「接待交際費は領収書だけじゃなく、レシートも添付してもらうことにしました」と理子はきっぱり。

手には吉田に渡された領収書。高級寿司店での食事代3万円となっている。

「えー、なんでだよ」

「レシートには、同席した人数もきちんと明記されています。
領収書だけでは一人で食事したものか、お得意様を接待したものか、わからないですからね。
会社のルールとして明文化したものを昨日メールで一斉配信してあるはずですよ。
もちろん、社長の承認も得ております」と、理子。

「うぐぐぐぐ」と、歯噛みしながら立ち去る吉田であった。

「頼もしいのぉ」天空から眺める会計仙人もほくそ笑んでいる。

**********
意外にもレシートは経費を計上するために必要な情報が網羅された優秀なツールでした。
ストーリーの中にもありますが、むしろ、領収書の曖昧さが盲点となっているケースが多いようです。大切なのは、社内のルールづくり。
きちんと明文化して社内で共有する必要があります。
そして、その先頭に立つのも経理の重要な役割なのです。
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