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人事/労務年末調整 2020/10/06

2020年は大きな変化が!年末調整の流れをおさらい

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年末が近づくにつれて、毎年、経理担当者の頭を悩ませるのが「年末調整」ではないでしょうか。特に2020年は電子化の促進や税制改正の影響などの要注意事項が加わり、注意が必要な部分が多くなります。経理ドリブンではこれらの変更について、これまで2つの記事で紹介してきました。今回はこれを踏まえたうえで、全体の流れと具体的な業務をおさらいしたいと思います。
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年末調整の流れ1:従業員による申告

年末調整の業務は大きく「従業員による申告」、「年末調整の計算」、「法定調書の作成と提出」の3段階に分けられます。まず最初に行うのは「従業員による申告」です。

年末調整では、10月下旬から11月にかけてすべての従業員に申告書への記入をしてもらう必要があります。この時、一般的な企業では、経理担当者など、社内の担当者が申告書の配布や回収を担っている場合が多くあります。提出が必要な書類は以下の通りです。

■従業員からの提出が必要な申告書(例)
  • 扶養控除等の(異動)申告書
    給与収入のある正社員(パート、アルバイトも含む)が対象
  • 保険料控除申告書と控除証明書類
    生命保険、地震保険、個人年金などの加入者が対象
  • 配偶者控除申告書
    年末調整を行う年の12月31日時点で以下の条件すべてに該当する配偶者がいる者が対象
    • 民法規定上の配偶者であること
    • 納税者と生計が同じあること
    • 年間の合計所得金額が48万円以下であること
    • 青色申告者の事業専従者として一度も給与の支払いを受けていないこと、もしくは白申告者の事業専従者でないこと
  • 前職の源泉徴収票
    職場が変わった者が対象
  • 住宅借入金等特別控除申請書
    以下の条件に該当する場合に申告を行う
    • 住宅の新築、取得や増改築目的かつ、そのために直接必要な借入金であること
    • 償還期間が10年以上の割賦償還の方法で返済される借入金、もしくは割賦払の期間が10年以上の割賦払の方法で支払われること
    • 一定の者からの借入金等であること

従来のフローでは、社内の担当者が社員全員に対してそれぞれ必要な書類を配布、回収し項目に誤りや漏れがないかを確認していました。しかし、2020年は国が電子申告を推進していることもあり、年末調整用のシステムを利用し、この流れをスムーズにする動きも出てきています。

年末調整の流れ2:年末調整の計算

続いて、従業員が提出した申告書の項目内容を元に年末調整の計算を行います。タイミングとしては申請書類をすべて回収してから取り掛かることが多く、年末までに計算を終えて源泉徴収票を作成するというケースが一般的です。 計算の手順は以下の通りです。

■年末調整の計算
1.課税給与所得金額を算出する
給与所得控除後の給与等の金額-所得控除額の合計額(社会保険料控除額など約10項目が対象)=課税給与所得金額

2.算出所得税額の割り出し
課税給与所得額をもとに、算出所得税額の速算表から「算出所得税額」をもとめる

3.年調所得税額を算出する
算出所得税額-住宅借入金等特別控除額=年調所得税額

4.年調年税額を算出する
年調所得税額×102.1%=年調年税額

なお、2020年は税制改正によって「個人所得課税」が変わったという注意点もあります。クラウド会計システムを利用している場合は、このような税制改正にもすぐに対応できることがほとんどです。

年末調整の流れ3:法定調書の作成と提出

最終ステップとして、税務署に提出する法定調書を作成します。法定調書には、年間の所得額・控除額を記した「源泉徴収票」、原稿料や税理士への顧問料を記した「報酬の支払調書」、これらを集計した「法定調書合計表」が含まれます。法定調書の作成は一般的に年明け前後に行い、1月31日までに提出します。
ここで注意しなければならないのは、提出する法定調書の数によって電子申請が義務化されていることです。2021年1月1日以降の提出からは「法定調書の数が100枚以上の企業」と、条件が変わったこともあり、新たに対象となる企業は速やかに対策する必要があります。

年末調整をスムーズに進めるにはシステムの利用が効果的

年末調整のフローは以上ですが、先述した通り、2020年は「電子化」と「税制改正」という重要ポイントを検討する必要があります。ただでさえ手間のかかる年末調整に、新たなルールを適用していくというのは、考えただけで頭が痛くなるのではないでしょうか。
このような場合は、年末調整をインターネット上で処理するクラウドシステムが役に立ちます。クラウドシステムを使えば、従業員がスマートフォンやパソコンからデータ上の申告書類に直接、記入できるので、書類を配布・回収する必要がありません。また、計算も自動で行われるほか、税制改正などの法的なアップデートにも自動で対応していることがほとんどです。さらに、過去のデータを流用することも可能なので、前年と変わらない部分についてはそのまま使用することができます。

ミロク情報サービスで提供している「Edge Tracker」もそのようなシステムのうちの一つです。興味があればチェックしてみてください。

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今年度の年末調整は昨年からの変更点も多く、特に電子申告については、今年から始めるという企業が大幅に増えると予想されています。年が明けてから混乱しないためにも、これまで以上にスケジュールに余裕を持って進めることが重要です。年末調整システムの導入を検討したいという場合も、導入してすぐに運用できるものばかりではありません。早めの対策を検討するよう心がけてください。

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